加速度センサーの選定方法

マイクロストーンでは『「動き」を測る。未来が動く。』というスローガンで活動しております。 「動き」を測る為、加速度センサーを取り扱っております。 加速度センサーと言いましても、様々な種類があります。 それぞれに得意・不得意でしたり、計測できる動き・できない動きといったものがございます。 目的に合わないセンサーでは計測したい振動や、捉えたい動きを測ることができません。 それぞれ性能の違いや特徴がありますので、目的に合ったセンサーを選択していただく必要がございます。 今回の記事では、センサーを選択するためのポイントについて紹介させていただきます。 加速度センサーの導入の検討でご活用いただけますと幸いです。

1. 加速度センサーの仕様表

加速度センサー導入のご検討をされる際には、仕様を比較することで、目的に合っているかどうかを判断していくことになります。 そのためにまずは、加速度センサーの仕様表の見方からご紹介させていただきます。

検出範囲

検出範囲は、センサーが測ることができる加速度値の範囲を表しております。 検出範囲より大きな加速度値は測ることが出来ません。

検出感度

検出感度は1m/s²を計測した際にセンサーが出力する電圧値です。 加速度センサーの計測値を算出する際に必要となります。

供給電圧 (Vcc)

供給電圧は、センサーをご利用いただく際に、供給する電源電圧です。 『3軸加速度センサー リードタイプ MA3シリーズ』は供給電圧が可変となっております。 マイクロストーンのモーションレコーダーに接続してご利用いただく場合、3VDCをモーションレコーダーから供給します。 PLCなどに接続される場合は、5VDCを供給してご利用いただくことが多いです。

消費電流

消費電流は、接続される機器や電線等の規格に合っているかご確認いただく際に必要な数値となります。 機器の定格電流や電線の定格電力等が規格に合っているかご確認ください。 電力への変換は「供給電圧 (Vcc) × 消費電流」で計算できます。

オフセット電圧

オフセット電圧は、加速度が0m/s2の際の電圧値です。 加速度は+方向と−方向に変化するため、供給電圧の半分の値が0m/s²となっております。 センサー出力がこの電圧値よりも高い場合は+の加速度、低い場合は−の加速度を検出しております。 『3軸加速度センサー リードタイプ MA3シリーズ』の場合、Vcc/2 ±0.2Vとなっております。 Vccとは先述した供給電圧です。 供給電圧が5VDCの場合は、「Vcc (=5V) / 2 = 2.5V」となります。 供給電圧が3VDCの場合は、「Vcc (=3V) / 2 = 1.5V」となります。

応答周波数

応答周波数は、加速度センサーが検出可能な周波数を表しております。 応答周波数の範囲外の周波数の振動は正確な計測が出来ません。

非直線性

加速度センサーの計測値は比例のグラフのような直線となります。 ただし、理想的な直線ではなく、誤差が発生してしまいます。 非直線性は、理想的な直線との誤差を表しております。

他軸感度

他軸感度は、センサーの計測軸とは別の方向への加速度が発生した際に、どの程度検出してしまうかどうかを示しています。

動作温度

動作温度は、仕様の動作を保証する温度を表しております。 動作温度の仕様値よりも高い温度、または低い温度で利用した場合、仕様に記載されている精度を満たさない場合があります。 また、仕様外の温度で利用した際にはセンサーが故障してしまう恐れがありますのでご注意ください。

保存温度

保存温度は、電源を供給していない場合に製品が許容できる温度です。 保存温度の仕様値よりも高い温度、または低い温度の場所に設置・保存しないようご注意ください。

最大印加電圧

印加する電圧について、メーカーで保証している数値です。 最大印加電圧は、この数値を超えた値の電圧を印加した際に故障してしまう恐れがあります。

以上が加速度センサーの仕様についての説明でした。 しかし、実際に選定する際に、項目が多くて困ってしまう方も中にはいらっしゃるかと存じます。 次のページでは、加速度センサーの選定で特に確認するべきポイントを絞ってご紹介いたします。 用途ごとの目安についてもご説明させていただきます。