加速度センサーの選定方法

マイクロストーンでは『「動き」を測る。未来が動く。』というスローガンで活動しております。 「動き」を測る為、加速度センサーを取り扱っております。 加速度センサーと言いましても、様々な種類があります。 それぞれに得意・不得意でしたり、計測できる動き・できない動きといったものがございます。 目的に合わないセンサーでは計測したい振動や、捉えたい動きを測ることができません。 それぞれ性能の違いや特徴がありますので、目的に合ったセンサーを選択していただく必要がございます。 今回の記事では、センサーを選択するためのポイントについて紹介させていただきます。 加速度センサーの導入の検討でご活用いただけますと幸いです。
1. 加速度センサーの役割と種類
加速度センサーの役割
加速度センサーは、動きを計測して数値化するためのセンサーです。 機械や人の動きの違いを数値をデータから表すことができるようになり、人の感覚に頼らない判定が可能になります。 これにより、工場のIoT化での判定の自動化や、データに基づいて評価の根拠を提示することができます。 このことから、加速度センサーは動きの判別・評価で欠かせない存在です。
加速度センサーの種類
主に使われる加速度センサーの種類について、簡単に解説します。
圧電型
衝突などの強い衝撃の計測に使われることのあるセンサーです。 高い周波数と大きい加速度の計測が得意です。
静電容量型
重力加速度を検知できることから、物体の姿勢・向き・動きの解析で使われるセンサーです。 低い周波数の計測が得意です。
ピエゾ抵抗型
小型化に向いているセンサーです。スマートフォン等に内蔵されていることが多いです。
加速度センサー以外の機能について
加速度センサーと言っても、いろいろな形やサイズのセンサーがあります。 これらの違いについて説明していきます。
加速度センサーピックアップ
加速度を検出するための最小限の構成となっています。 レコーダーやロガー、PLCなどに信号を入力してデータを確認、保存します。 一般的には、信号を増幅するためのプリアンプが必要となるものが多いです。
加速度センサー内蔵のレコーダー・ロガー
加速度の検出からデータの保存まで行うことができます。 さらに装置の計測用であれば、最大値やRMSなどの指標算出や周波数解析ができるものもあります。 電子機器全般に言えることではありますが、バッテリー搭載型のものは特に熱に弱いことが多いので、使用可能な温度の確認が必要です。
押し当て式振動計
ハンディータイプのセンサーです。 簡易的に加速度を計測することができます。 波形データを見たり保存したりできず、最大値やRMSといった指標でとっさに確認するための計測機です。 モーターのように、動かない部分を計測できる場合には良いですが、多関節ロボットや搬送装置のような動く装置は計測できません。
2. 用途別の選び方
これまでご紹介しました通り、加速度センサーにもいろいろな種類があります。 それぞれに得意なこと・不得意なことがありますので、用途に合った使いやすいセンサーを選ぶ必要があります。 ここでは、計測対象となる機械ごとに合ったものをご紹介していきます。
モーター
モーターの異常を検知する場合、静電容量型で良いことが多いです。 ただし、モーターの回転速度によっては、圧電型が必要になることがあります。
多関節ロボット
ロボットの駆動に使っているモーターの異常検知では、静電容量型で良いことが多いです。 また、ロボットの姿勢を使って異常を検知する際にも重力加速度が検知できる静電容量型を使う必要があります。 しかし、エンドエフェクターなどのロボットの先端部で、大きなセンサーを付けられない場合は、センサー部分が小さいピックアップタイプが必要になることがあります。
切削加工機械
油や粉塵が飛んでくることのある切削加工では、耐油性・防水性・防塵性が必要になります。 ピックアップはこれらに対して防護されている製品が多いです。 レコーダーやロガー、PLCなどは防護がないことが多いので、置き場所や製品選定で注意が必要です。